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ペットの災害対策【環境省】

ペットの災害対策【県内市町村等関連リンク】

東日本大震災を経験して刊行「動物救護活動の記録」

宮城県緊急災害時被災動物救護本部

平成23年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とするM9.0の巨大地震が私たちを襲いました。沿岸部ではさらに、巨大津波が襲い、大きな大きな犠牲を伴う、未曾有の大災害となりました。繰り返す余震とライフラインの遮断のなか、私たちにできる、動物救護の活動をはじめました。全国から、そして、世界からも寄せられる、温かい支援の輪に支えられながら、懸命の活動を続けました。

その活動の概略を記録誌から抜粋して、ここにご報告させていただきます。私たちの動物救護活動にお寄せいただいた多くのご協力とご支援に、改めて心から感謝申し上げます。また、今後も起こりうる災害時に対する、一助となれば幸いです。

「災害時における愛護動物の救護活動に関する協定書」を平成19年3月16日に宮城県知事と締結いたしました。

 被災動物救護活動の取り組み

はじめに

平成23年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とするM9.0の巨大地震が私たちを襲いました。沿岸部ではさらに、巨大津波が襲い、大きな大きな犠牲を伴う、未曾有の大災害となりました。繰り返す余震とライフラインの遮断のなか、私たちにできる、動物救護の活動をはじめました。全国から、そして、世界からも寄せられる、温かい支援の輪に支えられながら、懸命の活動を続けました。

その活動の概略を記録誌から抜粋して、ここにご報告させていただきます。私たちの動物救護活動にお寄せいただいた多くのご協力とご支援に、改めて心から感謝申し上げます。また、今後も起こりうる災害時に対する、一助となれば幸いです。

  • 地震発生後の石巻市の様子避難所への同行避難の様子(山元町)
  • 地震発生後の塩竈市・多賀城市の様子被災動物相談会の様子(山元町)
  • 地震発生後の志津川町の様子

現地救護センターの活動

仙南地区動物救護センター

3月19日〜4月2日に研究会・日小獣・法人・動物病院・製薬会社などよりヒト用食料・イヌネコ用療法食・動物用医薬品・動物飼育用資材など6回にわたってトラックなどで到着した。

ただちに山元町・亘理町・角田市・柴田町・川崎町・白石市へ届けた。被災地への巡回指導は3月21日より実施した。ガソリンの確保が困難な中、被災地まで片道40〜50分を要する避難所の同行避難動物の把握と生活状況を聞き取り、支援物資を配布して回った。r避難所の中でいっしょに生活できる所、車の中で飼育せざるを得ない所、外につないでいる所、避難所には連れて来れずそのまま放置してきた人達、エサだけを与えに毎日壊れた家に通う人達、行方不明のイヌネコを捜す人達、飼い主不明のイヌネコを預かっている人達、同行避難できずに知り合いに預けた人達」色々なケースがあった。4月3日になってようやく山元町山下駅周辺に入ることが出来るようになり、動物の探索を実施した。

山元町坂元駅周辺は駅も線路も周辺の家々も跡形も無く消えていた。4月29日には山元町役場前にて獣医師7名、アシスタント3名による「ペットに関する相談会」を開催した。8月以降は仮設住宅の移動に伴う巡回指導を実施した。また、震災セミナーとして「人と動物のかかわり研究会」に参加した。

  • 地震発生後の石巻市の様子避難所への同行避難の様子(山元町)
  • 地震発生後の塩竈市・多賀城市の様子被災動物相談会の様子(山元町)

岩沼地区動物救護センター

名取市、岩沼市と災害時協力協定を締結していた。しかし、被害が甚大なため、市役所担当者と動物救護活動について話し合ったが、動物以外のことで手一杯なので、獣医師会で独自に活動して欲しいとのことであった。

宮城県獣医師会事務局および地区会員とも連絡が取れない中、各避難所(小学校・中学校・高校・公民館・集会所など13箇所)巡回指導(イヌ78頭、ネコ21匹、インコ1羽)および支援物資(ドッグフード・猫砂など)の配布が始まった。3月中は、同行避難所でヒトのアレルギーや呼吸器疾患への苦情があって、岩沼市内空き地にテント村(簡易飼育施設;イヌ2頭・ネコ3匹)を設置した。イヌネコについても疲労・不衛生・車中泊・防寒の対応や子犬出産・持病の悪化・感染症に対する往診の要望が出始めた。また、マスコミの取材対応や支援物資(猫砂5k × 150袋など)受領や配布がガソリン不足の中で行われた。4月に入って避難所暮らしのストレスに伴う疾患・持病の悪化は日毎に酷くなった。

簡易飼育施設にはイヌ3頭・ネコ2匹が追加になった。との頃になると多くの避難所でヒトの健康問題が発生し、仮設住宅捜しなどと相侯って、各動物病院の診療が忙しくなり、一時預かりや入院による避妊・去勢手術も増加した。また、市町担当者からは仮設住宅への引っ越しや狂犬病予防注射の話し合いが持たれた。4月も下旬になると宮城県獣医師会の方針が示され、同支部の会議が持たれ、義援金を申請することも決定した。

さらには、被災動物保護センター(二次シェルター)の立ち上げに参画し、新たにイヌ・ネコの搬送と当番の義務が生じたため、日時の割り振りを決めた。5月以降は概ね次のように展開した。

  1. 避難所に同行避難している動物の救護活動5月末日を持って、名取市の避難所がすべて閉鎖し、その後、他の市町においても順次閉鎖したため、避難所の動物への救護活動も終了した。
  2. 被災動物の一時預かりについて
    原則的に、被災動物の預かりは、二次シェルターに移行しているが、地域性、あるいは、個人的な理由によって、地区の動物病院に少数ながら預かっている動物がいる。9月14日の時点で、2病院イヌ5頭であった。
  3. 被災動物の医療費助成については、予定通り各病院で7月10日まで実施した。
  4. 緊急災害時動物救護本部からの義援金による仮設住宅における共同犬舎設置事業については、各自治体、保健所の関係者と協議して、支援要領を作成し、仮設住宅入居者からの要請待ちの状態あった。入居者の要望と仮設犬舎の仕様には隔たりがあったが、「より小さな犬小屋、丈夫なフェンス」等の要望も加味して要請した。
  5. 動物慰霊祭の実施
    9月10日(土)に、動物慰霊祭を開催した。例年の開催場所であった名取市斎場動物慰霊碑前は、震災被害により使用不能のため、会場変更し、名取市の葬祭会館にて実施した。
  6. 仮設住宅入居者対象の犬の飼い方教室の開催
    10月13日(木)に、亘理町の公共ゾーン仮設住宅にて第一回目の講習会を皮切りに順次実施した。また、これらの経験を千葉県獣医師会など4箇所で報告した。

塩釜地区動物救護センター

3月15日から4月27日まで、ボランティア獣医師および動物病院スタッフで、避難所を巡回した。支援物資(フード・シーツなど)配布、毎週土日は健康相談会と検診を実施した。また、シャンプー会を3回実施した。治療はイヌ114頭・ネコ15匹で、混合ワクチン接種・フィラリア予防・ダニ予防と避難車泊熱中症対策を行つた。また、他の現地動物救護センター激励・応援を実施した。

  • 避難所への同行避難の様子(七ヶ浜町)
  • 動物の健康相談会の様子(七ヶ浜町)
  • 避難所でのシャンプー会の様子
  • 避難所でのシャンプー会の様子

黒川地区動物救護センター

地区内の宮城県動物愛護センターにて保護犬の治療および狂犬病予防注射を行った。その後、二次シェルター(被災動物保護センター)が立ち上がったので、ローテーションにしたがって従事した。

大崎地区動物救護センター

地区内の宮城県動物愛護センターにて保護犬の治療および狂犬病予防注射を行った。その後、二次シェルター(被災動物保護センター)が立ち上がったので、ローテーションにしたがって従事した。

栗原地区動物救護センター

ローテーションを作成して気仙沼地区動物救護センター活動(南三陸町)および被災動物保護センターの応援をした。24箇所の避難所にイヌ66頭およびネコ29匹が同行されていた。

とくに、JSAVA(日小獣)から支援された物資および登米保健所から支給された物資(ドッグフード17種類約70k、キヤツトフード4種類約37k、処方食5種類約13k、処方食サンプル8種類約10k、小鳥のエサ1種類1.7kおよびおやつ7種類約3k)を避難所および仮設住宅等を巡回して配布した。また、医薬品6種類、消毒・消臭剤4種類、医療品12種類については、ボランティア獣医師6名で所持し随時活動で使用した。また、「平成23年度犬のしつけ方教室」にて災害への備えについて教示した。

登米地区動物救護センター

宮城県獣医師会に救援本部が立ち上がったとの連絡があり、3月22日登米地区のボランテイア登録獣医師を召集した。当センターは気仙沼市、南三陸町、歌津町が担当となり、栗原地区動物救護センターと連携して救援活動の計画を立てた。また気仙沼市の獣医師の方々には各避難所の情報をいただいた。

  1. 活動期間(平成23年3月25日〜3月30日)の巡回場所については登米保健所より避難所(学校・公民館等)のデータを取り寄せ1日2〜4か所を設定した。巡回時間は獣医師2人体制とし、午前9時に登米保健所を出発し午後2時ごろまでに帰ることと決めた。
  2. 活動内容は治療イヌ3頭・ネコ2匹、健康相談3件、巡回避難所15ケ所、避難所に支援物資(イヌ・ネコの餌など)の搬入、被災2週間後で各避難所とも生活関連物資の不足が目立ち、その支援であった。被災直後ということもありこの期間では十分な支援活動ができなかった。
  3. 4月に入って、各ボランティア獣医師の病院休日を利用して20ケ所の避難所等で救援活動を行った。4月は延べ12日間、獣医師延べ18名活動した。各先生方は避難所巡回にも慣れ、訪れた避難所で得た情報で次の避難所を決めたり、他の先生に情報を伝え必要な診療や物資の搬入を円滑に行っていた。4月治療、イヌ5頭、ネコ5匹、健康相談5ケ所で実施した。被災動物の一時預かりは動物病院に合計イヌ17頭であった。

石巻地区動物救護センター

石巻市・東松島市・女川町には大津波が押し寄せ、ヒトや家屋とともに多くの動物たちが被災した。石巻支部は、石巻地区動物救護センター活動を実施した。石巻市と災害時協力協定を締結していたが、設置場所が定まらず三箇所目で落ち着いた。総収容動物数は、イヌ146頭・ネコ160匹・カメ3尾・ウサギ2羽・インコ2羽・オウム3羽におよび、うち一時預かり動物数はイヌ102頭、ネコ83匹、トリ3羽であった。一時預かり動物への面会回数は動物一匹当たり平均76回であった。

捜索依頼は、石巻市イヌ135頭ネコ168匹、東松島市イヌ37頭ネコ47匹、女川町イヌ4頭ネコ5匹、その他イヌ10頭ネコ15匹であった。獣医療は、イヌ147頭(胃腸炎68、皮膚炎21、外耳炎14、角・結膜炎13、M1、関節炎10、岐傷7、腫場6、ケネルコフ2)、ネコ159匹(FVR73、胃腸炎29、角・結膜炎24、F1V17、口内炎歯肉炎10、耳ダニ7、毛球症6、腎不全・回虫症各4、皮下膿場3、マンソン裂頭条虫症・マダニ寄生・胃炎・外耳炎・勝脱炎各2、尿道結石・済癖・甲状腺充進症・膿胸・牌腫・肥満細胞腫各1)とマイクロチップ装着(イヌ7頭・ネコ102匹)去勢避妊(イヌ17頭・ネコ36匹)ワクチン接種(イヌ104頭・ネコ11匹)狂犬病予防注射(イヌ59頭)ノミダニ駆除(イヌ109頭・ネコ105匹)フィラリア予防(イヌ64頭)手術(イヌ8頭・ネコ1匹)などを施した。所有者不明あるいは所有権放棄されたイヌネコの里親は、宮城県(イヌ25頭・ネコ5匹)、東京都(イヌ8頭・ネコ4匹)、神奈川県(イヌ2頭・ネコ3匹)、その他(イヌ7頭・ネコ9匹)であった。

登録されたボランティアは1,498名に上り、5月4日109名、続いて5月3日105名と多く、ゴールデンウィーク以降は土日祝日に多く、一名当たり2.8日従事し、女性が68%を占めた。支援物資は、3月17日が最初で、4月に入って多く届くようになった。ピークは5月で6月に入ると次第に減少した。支援物資は、石巻地区動物救護センターに充当したほかに5〜6月にかけて多い日には15名に分与されたが、7月に入ると急減した。義援金は、4月1日から振り込まれ、ゴールデンウィークまでに最初のピークがあった。ボランティア・支援物資・義援金は、東京都が最も多く、続いて政令指定都市のある道府県が多かった。同年9月30日に閉所し、残務整理には約半年を要した。

3月中に立ち上がった仮事務所がホームページ登載・口座開設・ボランティア受け入れ・マスコミ対応を実施し、その後、岡本部の運営方針に従った口一ドマップを作成して内外に周知できたことが、順調な運営と円満な閉所につながったものと考えている。なお、これらの経験を全国各地18箇所のフォーラムなどで報告してきた。

(既報論文)谷津壽郎、早坂敬、首藤正、他:石巻地区動物救護センター活動の概略、宮城県獣医師会会報、第65巻第4号、178〜185(2012)

  • 避難所への同行避難の様子(東松島市)
  • 避難所への同行避難の様子(石巻市)
  • 避難所への同行避難の様子(石巻市)

気仙沼地区動物救護センター

地震津波により3動物病院すべてが壊滅的被害を被った。3月〜4月中は行政機関および私設保護センター・避難所を巡回し、イヌ21頭(下痢20・幅吐5・外傷1・衰弱1)、ネコ1匹(皮膚病1)に治療を施した。また、当地区の応援に出向いている栗原地区および登米地区動物救護センターへの情報提供を行った。5月以降は避難所や仮設住宅における医療相談に対処した。

  • 避難所への同行避難の様子(志津川町)

宮城県被災動物保護センターの様子

石巻被災動物保護センターの様子